皆さんこんにちわ糟谷です。正直にお話させていただきますと、
この講座、皆さんに、(いかに楽しんでいただけるか?)を
考えておりますので、下書きも数回分あるのですが、(これは、面白くないだろうな)
と、書かずに延び延びに来てしまいました。
しかし、私は一歯科医師。完璧な人間ではありませんので、ご批判を恐れず、
私の歯科医師として知りうる限りのことを、過去、現在問わず
全力で、お伝えすることのみに
注力していければいいのではないか?
と、思うに至りました。
ので、拙い文面、内容も出てくるかと思いますが、
遠慮なく、ご批判、ご質問お寄せください。
下図をご覧下さい。
左と右で違いが明らかな部分が2つあります。どこだと思われますか?
ア、1つ目はホンダ(自動車会社)のHのマークのような所
[神経、動静脈があるところ=歯髄(しずい)]
の細さが違う事がわかります。
イ、2つ目はいわゆる、股というか枝分かれしている部分(根分岐部)
、右歯の根元が黒くなっていることがわかります。
アについて
どのような状態かと申しますと、
右歯の歯髄に第二象牙質ができている状態です。
つまり、虫歯が深くなってきても、神経からの距離を
維持するために、歯髄内側にブロックする物質(第二象牙質)
が、出来てきてしみたり、痛くさせないようにしています。
この素晴らしい自己修復能力のお陰で、深い虫歯も
神経を取らなくて済む事があります。
この歯の治療過程は、
①右歯の金属を除去しました。
かなり虫歯は深かったのですが
第二象牙質のお陰でそれほど自覚症状(しみる、痛い等)
なく経過しました。
②改めて金属をセットいたしました。
イについて
状態は、歯を支えている骨が溶けている状態になっています。
原因は、主に2パターンあります。
あ、いわゆる歯槽膿漏:(第二回参照)
い、寝ている間の物凄い咬合力(食べているときの数倍の力がかかる事あり)
この根分岐部病変につきましては、
いくつか治療方法があります。
①ひたすら、気長にブラッシング(軽め長めが重要)
②就寝時のマウスピース(過度の食いしばり、歯軋り等明らかな場合)
③分岐部の清掃(場合によりますが、特殊な切削器具にて)
この患者様は①を選択されました。
予後、順調です。
皆さんご経験がある方もいらしゃると思いますが、
(金属を詰めて、一段落したはずなのに、しみている。)
という事はありませんか?
これは、前出の第二象牙質との兼ね合いであることがおおいです。
第二象牙質が内側に出来てくると、しみなくなって来ます。
その出来る期間に個人差があります。(私の感覚では長い方で約半年です。)
1つの目安は、ズキズキ絶えずしないかどうかです。絶えずズキズキしなければ
だいたい自然な状態に治ることがほとんどです。
ただ、治ったと思ったら、実は神経が死んでしまって、痛くなくなる事も
あり得ますので、しばらく経っても違和感があるようでしたら遠慮なく
担当歯科医師にお伝えください。
変な意味ではなく、どの歯科医師がやったとしても、同じ結果になったであろう
状態というものが存在するかと思えば、逆もあり得ます。
例えば、
①歯が急に痛くなって救急で患者さんがお見えになる。
②神経が、化膿しているか?していないか?(全く治療法が変化します。)
③の1:痛みを鎮める薬を詰める(化膿していないと判断した場合)
=>ア、痛みが治まる。
=>イ、痛みが治まらない。(半分神経が死んでいて、ガスが内部でたまってくる。)
つまり、痛みを鎮めるための薬が、逆に痛みの原因になる事もあり得ます。
歯科医師が良かれと判断した事が逆になることがあり得るという事です。
③の2:麻酔をして神経をとる治療
=>ア、神経を残せると判断
=>イ、神経を残せないと判断
(なるべくなら神経は抜かない方が良いと考えるか否かでも変化します。)
④神経を取らないでも治せる薬の使用法をどれだけ知っているかどうか?
(3MIX-MP法等)
いずれにしましても
事前の説明と同意、信頼関係が重要なポイント
なことは間違いないでしょう。
なんでも担当歯科医師に相談されると良いです。